弊社が「ホームページ制作会社」と名乗るのはやめにした理由。
弊社は「ホームページ制作会社」として2003年に創業し、はや21年となります(ありがとうございます)。
当初は違和感がなかったこのラベリング(呼称)も、時代と共に“もやもやした感覚”が残るようになってくるようになりました。
それでも、検索に使用される言葉を理由に考えないこととしていたように思います。
しかしここ数年で 「もうホームページ制作会社を名乗るのはやめよう」と決めました。いまやもう、明らかに違うなと感じたからです。
Webサイト作りを止めるわけではなく、主にラベルとマインドの変更だけです。
当サイト含め、私が過去に書いた記事には「ホームページ制作会社」のワードが何度も使われています。
ですので混乱を招かないよう、改めてこの記事をポストしておきたいと思います。
目次
理由1:ホームページ制作会社というラベルがそぐわない
ホームページ制作会社というラベルが、現在の弊社の実態にそぐわない。これが最も大きな理由の一つです。
そもそも「ホームページ制作」はお客様向けの言葉
厳密に言えば「ホームページ」=「Webサイトのトップページ」を指します。それがいつしか「Webサイト全体」をさすようになりました。
言葉は変わるものなのでそれは良いと思いますが、以下の様に、人によって使う言葉に傾向があります。
- 「ホームページ」と呼ぶ方=一般向の方
- 「Webサイト」と呼ぶ方=業界人、比較的ITリテラシの高い方
お客さまが多く利用される(検索される)言葉を使うべし……。ということで「ホームページ制作会社」を名乗る会社が多かったという現実があります。
それでも2000年代はさして気になりませんでした。
が、近年「ホームページ制作会社」と名乗る会社に、旧来の古いタイプの制作会社が多く目に付くようになってきたように思うのです。
個人的な感覚ですが、なぜかそういうことが多いです。
Webサイトを作ることが目的ではない
ここからは「Webサイト」という言葉で統一します。
お客さまは、Webサイトを作りたいから制作会社に依頼するのでしょうか?よく考えると本質は違うことが分かります。
- Webサイトを作ること
- Webシステムを組み込むこと
- 綺麗なデザインを作ること
- 数多く見てもらえるサイトを作ること
これらは全て、何らかの目的を達成するためです。手段であって目的ではありません。
大抵の目的は集客
Webサイトという手段を使って何らかの目的を達成すること。
その目的のうち、分かりやすく、よくあるものを挙げてみましょう。
- 問い合わせを増やす
- 資料請求を増やす
- 予約数を増やす
- 注文を増やす
- ブランディングする
- リアル店舗の来客を増やす
……等などです。
これらの目的を突き詰めるれば、(ほとんどは営利のために)お客さんを集めることです。
つまり私たちの仕事は、Web(インターネット)の施策により、集客を支援すること。それが本質と言えます。
ホームページ制作会社は違う感……
集客するためホームページ/Webサイトを作るというのは手段の一部であり、表面的なものでしかありません。
後述しますが、今の時代において他の集客手段はいくらでもあります。
かくいう私も顧客のYoutubeチャンネルには深く関わっています。まる一日、動画編集することさえあります。
改めて考えるとホームページ制作会社は違うよなぁ、となるのは当然のことかもしれません。
理由2:Webサイトさえ作ればよい時代ではなくなった
先ほど触れたとおり、現代はWeb上での集客手段はいくらでもあります。Webサイトさえ作れば良い時代はとうに終わっていることも理由の一つです。
昔はWebサイトを作るのが仕事だった
たしかに昔は、Web上での主な営業活動は自社のWebサイトを作ることでした。初回にきちんと作りさえすれば、そこそこアクセスが見込め、問い合わせ等の成果を出すことができたのです。
きちんと作るといっても、今ほどルールも細かくはありません。
最低限のSEO対策(検索エンジン対策)の知識があれば、比較的簡単に上位表示もできたためWebサイト制作の依頼が殺到しました。
ですので当時は、Webサイトを作ること自体が仕事だったと言えます。
現在では業務が多岐にわたるように
当時のWeb上での集客手段はシンプルなWebサイトでしたが、現在は、全く様変わりしています。
そのため業務が多岐にわたるようになりました。例えば以下の様なものです。
- ウェブサイト改善(速度向上・使い勝手向上・ブランド向上等)
- CMS(WordPress等)のカスタマイズ
- SEO対策(検索エンジン対策)
- アクセス解析の定期チェック&分析
- コンテンツの企画&制作
- ライティング
- SNS登録・運用
- 各種サイトの管理(Googleビジネスプロフィールや口コミサイトなど)
- 広告の出稿・管理
- Youtube動画の撮影・編集・チャンネル管理
- Web/IT関連の総合サポート
明らかに、Webサイトの制作だけをしているわけではなくなっていますね。
Webサイトが無くても目的を達成できることも
昨今においては、そもそも自社のWebサイトが不要・またはそれに近い状態でもWeb集客がある程度可能になってきています。
例えば飲食業などでは、Googleビジネスプロフィールと口コミサイトや、SNSを適切に運用するだけでも集客に結びつけることが可能です。
加えて定期的にYoutube動画を投稿し、そちら経由で集客・ファンを作ることもできる時代です。
“ホームページ制作会社”と銘打ったままでは、柔軟な発想ができず、お客様の要望を満たせないと考えます。
予算は限りあるものです。“ホームページ制作会社”ではそれありきですが、Webサイトに限定せず、予算内でもっとも効果的な施策をするのがベストです。
理由3:作って放置のWebサイトを見ることに疑問を感じた
実は、Webサイトの多くは作っても有効活用が難しいものです。作り手としてそんな現状に疑問を感じたこと。それが3つ目の理由です。
作ってもほとんど更新されることがないWebサイト
これまで”ホームページ制作会社”として、いろいろなWebサイトを作ってきました。
その内、作ってほとんど更新されない放置サイトもたくさんあります。新着情報の更新しかしないサイトも含めれば、非常に多いです。
- 【×】作ることがゴール
- 【◎】作ってからがスタート
実態として、上記の1になってしまっているということなのでしょう。
本来は2ができてこそ、Webサイトの価値は高まるもの。しかしそれをご存じでない(またはご理解いただけていない)方も多いです。
Webサイトは結婚と同じ、とお考えいただくと納得いただけると思います。
活用方法まで含めた支援&アドバイスが必要
作って終わりのWebサイトは誰のせいでしょうか?以後追加の発注をしないorご理解いただけないお客様でしょうか?
私は提供者としての説明不足・提案不足もあると思います。丁寧に繰り返し説明しないと重要さは伝わりづらいですからね。
作ってからがスタートであること。その後どういう施策をしたら良いのかということを知っていただくことも仕事のうちです。
ただ作るだけならココナラで、セミプロでも見栄えはほどほどのものを作ってくれる時代です。
私たちプロに依頼いただくメリットは、技術力の違いだけではもはや不十分です。Webで集客することまで含めた価値の高いサービスが求められる時代に移り変わっていると言えるでしょう。
「ホームページ制作会社」と名乗っていては、作ることだけ。その後の集客も含め支援する会社とは思ってもらえません。
結果として弊社はどう変わったか
ここまで3つの理由をお話してきました。そこで、結果として弊社がどう変わったのか。はたまたどう変わっていないのか書いておきます。
ラベル(レッテル)が変わった
「ホームページ制作会社」というラベルは今後基本的に使いません(以前に書いた記事は直さないので残っているとは思いますが)。
お客様の目的に近く、言いやすい言葉は何だろうと考えたところ、以下の様なキーワードが挙りました。
- Web集客支援
- Webコンサルティング
- Web/IT顧問(商標登録の兼ね合いもあり)
- Web/IT担当
こういったキーワードは、意味的に正しくてもラベルとして使うには弊社の顧客層になじまないものもあります。
例えばやってるいることはまさにコンサルティングですが、ひどくお金が掛かりそうな響きもありますし(少し前はよく使っていましたが)。
というわけで、メインが「Web集客支援」ということに。加えてWeb上の様々なデジタルコンテンツも主として作る&総合的にサポートもするので「Web集客(支援)/IT顧問」の会社とラベリングすることにしました。
※このあたりの言い回しは、適宜営業しながら調整予定です。
ラベルというと軽い感じですが、「レッテルを貼る」というと、意外と重要なことと思います。
継続的な契約を主とした
Webで集客すると言っても、契約が切れたら(無かったら)それ以上のご提案はなかなかできません。
そこでここ数年、 より深くサポートできるよう、継続的な契約を意識的に増やしてきました。もちろんメリットをご説明&ご納得いただいた上でのことです。
金額は月額1万円(税抜)からと、利用しやすい金額にしました。高くて小規模事業者が利用しにくかったり、継続性がなかったら本末転倒に思うからです。
結果:納品して終わり→放置となることが激減し、お客様に新たな価値をご提供できていると思います。
他は同じです
他は全くと言って良いほど変わっていません。
とは言え、ラベル(レッテル)が変わるというのは、気持ちの上でも大きいものです。業務を行う上でも、根幹の部分が「集客」ですので、物事の判断時のぶれない軸として存在してくれています。
以前は新規案件発生時、新規Webサイト作りやリニューアルありきでした。
それがまずはお話を伺ってから考えることができ、安易な制作をお勧めしないこともあります。
変わっていないようで、(良い意味で)変わっているのかもしれません。
まとめ
社内の問題であり、実質的な業務内容には変化が無いので記事にすべきか少し考えました。しかしながら、これまでよりさらに成果(集客)にこだわる表明をしておきたいとも考えポストしました。
これまで以上にWeb集客/IT顧問として各種業務に邁進していきますので、今後ともイメージウェーブおよび馬場のことをどうぞ宜しくお願いいたします。
追伸:
ホームページ制作会社とは名乗りませんが「ホームページ」表記を今後どうするかは難しいところです。やはりクライアントがよく使う言葉ではあるからです。……難しい。